TOEIC360点という低英語力でカナダ留学に挑んだ、無謀ともとれる行動をとった元公務員の私。 「なんとかなる」と楽観的に考えていた留学生活の初日、私はすぐに「想像と現実のズレ」を学ぶことになります。
今回は、語学学校に通いはじめてすぐに感じた、私が実際に感じた焦りと絶望について、包み隠さずお話しします。
留学前の楽観的な考えと1300万円という資金の安心感
カナダに来る前の私は、かなり楽観的に将来を考えていました。冷静に考えてTOEIC360点というのは英語初級レベル。それでも当時の私は、「現地に行けば自然に伸びる」と盲信していました。
その背景には、よく見る、聞く成功ストーリーの影響がありました。
- 「英語は環境にいれば自然と伸びる」
- 「語学学校に半年通えば、会話くらいできるようになる」
- 「現地生活=自動的に英語上達」
人間都合の良い部分だけを切り取ることがありますが、良い方向に向かうのは稀です。そして、何よりも大きかったのが、10年間の公務員生活で貯めた1000万円以上の資金でした。これだけお金があれば、環境さえ整えればなんとかなる」という慢心が、事前の準備不足という最大の弱点を、見逃すことになりました。
語学学校初日に起きた想定内の現実
語学学校初日、教室に入った瞬間は余裕がまだあったように思います。授業内容は中学英語レベルで、なんとなく知っている単語も並んでいたからです。
しかし、問題は「内容」ではありませんでした。 すべてが、英語で進むこと。当たり前のことを失念しておりました。
先生が言いました。 “Today, we’re going to review adjectives.”
この一文で、私の思考はAdjectiveに囚われ授業内容が全く頭に入ってきませんでした。
Adjectiveで思考が止まった瞬間
Adjective(形容詞) / Adverb(副詞) / Noun(名詞)
知っているはずの単語なのに、意味が脳内で即座に変換せれす、その考えている数秒の遅れが、学ぶ環境という場所では致命的でした。
こっそり意味をスマホで検索をして確認している間に、授業は容赦先へ進みます。 「理解出来ず、話している内容の半分も理解出来ず、時間だけが流れる」という感覚。 留学初日にして、英語力の未熟さ、自身の考えの甘さを突きつけられた瞬間でした。
理解できないまま授業が進む恐怖
他の留学生は当たり前のように先生とコミュニケーションを取っているなか、私の脳内では、はてなマークが飛び交う現実。 うなずく人、笑う人、質問する人。とてもうらやましく思いました。
私だけが取り残されて別の場所にいる感覚で、 本当に恐ろしかったのは「分からないこと」そのものよりも、分からないまま授業のペースが止まらずに過ぎていくことでした。 耳に入ってくるのは意味をなさない「音」だけで、気づけば、頭の中は常に何をメモしたらいいのか理解すべきなのかで焦燥感いっぱいでした。

質問できないという致命的な壁
さらに追い詰められたのが、自分自身の性格です。 公務員として働いていた頃、私のなかでは「空気を読んで、慎重に振る舞う」ことで周囲と調和してきたつもりでした。しかし、この性格が留学先では完全に裏目に出ました。
- 英語で質問する勇気が出ない
- 返答が返ってきても、理解できる自信がない
結果として、何も聞けず、分からないことだけがノートに溜まっていく。「英語力」という壁の裏側には、「自分から情報を掴み取りに行く」というコミュニケーションという能力の壁が立ちはだかっていました。
英語学習の本質的なズレ
ここで初めて気付きます、留学前に抱いていた大きな誤解に。 「環境を変えれば英語は伸びる」という考えは、半分正しく半分は間違いだた言うことにです。
環境とはあくまで「加速装置」であり、ゼロから英語を構築してくれる「補完装置」ではありません。
さらに言えば、英語には2種類の学び方があると考えています。
- 英語を“学ぶ”場所(文法や単語のインプット)
- 英語で“学ぶ”場所(英語を使って議論したり、考えたりするアウトプット)
この違いを理解しないまま留学していた私は、大きくつまずいていたと今ならわかります。
Introvert(イントロバート):内向的な人。私を表す言葉だと思っています。
Extrovert(エクストロバート):外向的な人。留学先ではこのタイプが目立ちます。
Gerund(ジェランド):動名詞(running, studyingなど)。
Noun(ナーン):名詞
Adjective(アジェクティブ):形容詞
Adverb(アドヴァーブ):副詞
英語学習において、知識量以上に必要なのは「その場で情報を処理して理解する瞬発力」です。
次回予告|さらに悪化する選択をしてしまう
「このままではまずい」 そう感じた私は、「環境が悪いかもしれない。もっと厳しい環境に行けば変れるはずだ」と、悪手とも言える決断をします。
私はさらなる英語力の飛躍を信じて、資金を投入、よりハードな環境への転校を決意しました。 しかし、それは結果的に“二度目の失敗”の幕開けとなるのでした。
次回:「環境を変えれば伸びる」という幻想が、完全に音を立てて崩壊する話へ続きます。

